スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠い夏の日 第六十二話

千賀子は少し混みあっている店内に入り、店員に案内されるまま奥まったソファーの席に着いた。

元米軍レストランの元コック長だったオーナーが営んでいる店だけあって、料理はアメリカンテイストで有名なせいか観光客が押し寄せている。

メニューを見ると、どれもボリューム満点のようで少し気が引ける。

「生ビールください」

イライラしたウエイトレスが急かすような表情をするので、とりあえず生ビールを注文しユックリとメニューを眺めることにした。

千賀子は大手出版社の編集業務を担当している。

いわゆる記者業務だ。

日本には数多くの出版社は存在するが、おおよそは「編集プロダクション」が、請負で制作している場合がある。

つまり下請けの制作会社が、上の会社の指示で取材も製作作業もこなすのだ。

しかし美味しい制作経費を使い、各地へ飛べる特権は本家にある。

プロダクションは上の会社の指示が無ければ動けない。

しかし編集者サイドとしては、自分で歩いて見て聞かなければ、出版元のカラーが出版物へ反映しない。

会社では何度と無く、出版編集会議なるものが行われ、各自が企画書を持って会議に臨む。

読者ニーズとターゲット層、或いは広告収益の収支バランスが取れれば役員のOKがもらえる。

千賀子も企画書一つで、会議を勝ち抜いた一人として沖縄に来ている。

だが千賀子には、会社から言われているいくつかの使命もある。

今年の六月に起こった、雲仙普賢岳大火砕流発生の応援取材と、1990年、去年の夏の高校野球準優勝校[沖縄水産高校]がもしかして、再び桧舞台へ上がるかもしれないからだ。

どちらの取材もスタンバイだけで、もしかして起こりうる事を想定して、会社から指示を受けている。

スポーツ記者だけが甲子園を取材するだけでは無く、応援する人々の声を聞いたり沖縄の原動力話題性として取り上げるのだ。

長崎雲仙普賢岳も現場取材だけじゃなく、周囲の隣県との何らかの関わりを想定している。


にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 マリンスポーツブログ サーフィンへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

■ Comment

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。