FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠い夏の日 第六十話

しばらく二人は、ベッドの感触を楽しんでいた。

「ね?ナツキ、とうとう来たわよ」

知美が横に寝そべり、ナツキを見ながら言った。

「うん・・来ちゃったね」

ナツキは仰向けに、天井のファンを見ていた。

「行こうか」

「うん」

二人は勢いに任せ、ベッドから跳ね起きた。

急いでスーツケースを開けると、衣類をベッドの上に雑然と置いた。

夏生は瞬に買ってもらった、白いワンピースだけは丁寧に皺を伸ばすようにして、部屋のワードロープロッカーからハンガーを取り出し掛けた。

二人とも予め買っておいた、ビキニスタイルの水着に着替え始めた。

知美は黒いビキニ、夏生は白いビキニだ。

「ちょっとアンタ!胸おっきくなったんじゃない?」

知美が夏生を、茶化すようにからかった。

「やだ?見ないでよ?」

夏生は同級生の親友を前にして、恥ずかしそうに笑った。

「トモミだって?そんなハイレグ着ちゃってさ」

「ははは・・どう?大人っぽいでしょ?」

知美はシックな黒のビキニを着て、腰に手をあてポーズをとった。

「うん、おとな?」

二人とも上機嫌だった。

透明なビニール製バッグに、バスタオルと少しの小銭、そしてなぜかウォークマンとカセットテープ一本を、知美は忍ばせた。

ビーチサンダルを履き階段を降りて、受付カウンターのマヒルに部屋の鍵を手渡した。

「海に行くの?気をつけてね」

マヒルは涼しい顔をして二人に言った。

白いタンクトップ姿のマヒルは、相変わらず片手に文庫本を手にしていた。

新原[みーばる]ビーチは、建物から少し歩けば見える位置にあった。

「ね?ナツキ。いいもの聴かせてあげる」

知美はバッグからウォークマンと、小さなヘッドホンを取り出し夏生に手渡した。

「何?!いいものって」

「ま?聴きなさい」

夏生は耳にヘッドホンをかけ、ウォークマンのプレイボタンを押した。



http://www.youtube.com/watch?v=ddbKq10AYc8


はじめまして 碧いラグーン

紅珊瑚のトナカイたち

貿易風に運ばれて来た

二人だけ真夏のクリスマス

愛してるとスノーケルで

ガラス越しにパントマイム

フィンをゆらしてあなたの影が

サファイアの中吸い込まれてく

Diamond Dust 幾千の泡を見送って

時がとまってた海の底

Diamond Dust 幾億の波を見上げたら

なぜか思いきり泣けた

はじめまして ひとりの冬

クリスマスにさあ乾杯

この日のためにあけずにおいた

冷えたボトルが音をたてるわ

Diamond Dust 幾千の泡をしたがえて

二人旅をした海の底

Diamond Dust シャンパンをそっとのぞいたら

帰りたかったの去年へ

エアの切れた hum‥ ダイバーほど hum‥

苦しいのよ今も

Diamond Dust 幾千の泡がきらめいて

昇り続けて消えぬまに

Diamond Dust ほおづえをついて透かしたら

なぜか映ってた あの海 あの空 あの島



ダイアモンドダストが消えぬまに/松任谷由実ダイアモンドダストが消えぬまに/松任谷由実
(1999/02/24)
松任谷由実

商品詳細を見る



にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

にほんブログ村 マリンスポーツブログ サーフィンへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

■ Comment

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。