FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠い夏の日 第八話

ビルの前ではバンド関係やレコードを仕入れにきている客がタムロしていた。

このビルは地下一階にACT、二階三階四階と小さなDJバーや、カフェ、レコード店がひしめき合っていて、音楽そのものが楽しめるビルなのだ。

外の空気に一度は触れたものの、一旦戻り二階の輸入版専門のレコード店へ入った。

この店はブートレッグ{海賊版}も多く扱うが、正規輸入盤を中心に商品を陳列してる。

店主オーナーの趣味で一部だけCDも扱っていて、イワユル売れ線もしくはニューカマー的なアーティストなんかも一押しにしてる。

Paula Abdul{Rush, Rush}と書かれた手製の宣伝文句に瞬は目がとまった。

「すいません。これ聴きたいんですけど」

カウンターのオーナーに声をかけた。

「これね、けっこういいよ。待ってて」

http://www.youtube.com/watch?v=0IPbMVLZX6g

http://


Rush, rush
Hurry, hurry lover Come to me
Rush, rush
I wanna see, I wanna see ya Get free with me
Rush, rush....


瞬の頭の中でメローなメロディーが回り始めた。

{らっしゅ..らっしゅ..か..良いじゃん!]

「これください」

間髪入れずに即買いしてしまった。

帰り道、同じ踏み切りで再び足止めをくらってしまった。

カンカンカンカン....と音が消える前に次の音が重なるのを聴いてるうちに頭がボーっとしてきた。

遮断機が上がり、向こう側にさっきの女の子が立っているのではと、変な期待感がこみ上げてきた。

家に帰ると、母はまだ帰宅していなかった。

瞬の母は都内の出版社に勤めていて、帰宅が遅いというより徹夜や泊まりで、帰宅しないなどザラだった。

二階の部屋にはいかず、リビングのオーディオコンポのアンプ電源をオンにし、CDプレイヤーに買ってきたCDをセットした。

Paula Abdulの甘い声とメロディーを聴きながら、着ているシャツとTシャツを脱ぎ、上半身だけ裸になりソファーに寝転がった。

部屋の暑さに耐えられず、エアコンのリモコンスイッチを入れた。

しばらく聴きいっていたが立ち上がり、ラジオチューナーをFM東京にセットしたが少し躊躇い、AM局に切り替えFEN (Far East Network - 極東放送)で止めた。

瞬は着ている服を全部脱いで、ジーンズ以外をすべて洗濯機に放り込み、バスルームへ入っていった。

バスルームに入りバスタブにお湯が入るように、シャワーヘッドを向けカランをひねった。

「あ、やべっ」

バスルームから突然出てきて、二階の置き去りにしてたデイパックから、サーフトランクスを取り出し再びバスルームへ入った。

風呂桶にサーフトランクスを放り込み、シャワーを流し込み揉むように洗い手で絞った。

バスタブに入り、しゃがむ格好で熱いシャワーを浴びながら、湯が溜まるのをジっと待つあいだ、踏み切りで会った子の顔が浮かんできた。

ハっとした驚いた顔が、無性に面白く思えてきた。

湯が適度な量に溜まったので、バスルームのドアを少し開けた。

リビングのスピーカーからFEN局にしては珍しく、クラシックロックではなく、PAT METHENYのLETTER FROM HOMEが静かに流れてきた。


http://www.youtube.com/watch?v=_5-pBkwyUxc

バスルームは無音に近いので、反響音に近い感じでリラックスタイムだった。

http://

曲が終わりかけると突然、FEN特有のアメリカ国歌が派手にかかり、早く風呂から出ろと急かされた。


SpellboundSpellbound
(1992/06/29)
Paula Abdul

商品詳細を見る
レター・フロム・ホームレター・フロム・ホーム
(1991/05/21)
パット・メセニー・グループ

商品詳細を見る


にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

■ Comment

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。