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遠い夏の日 第五十一話

瞬の右腕が、夏生の後頭部を、優しく自分の胸に抱き寄せ、夏生は身体を包まれるような感覚にとらわれた。

数秒なのか数分なのか、時間の感覚がハッキリせず、二人だけこの場所に佇んでいた。

「うんっ」

と、瞬は咳払いした。

夏生の顔を、上から覗き込むように言った。

「逢えたね・・・それもこんなに早く」

夏生は、いつもと違う夏生だった。

恥ずかしがりやで人前で抱きしめられるなんて、耐えられないはずだったのに、もうどうでもよかった。

「うんっ」

と、夏生は小さく小声で、上を見上げながら言った。

そして、みるみるうちに、夏生の目から涙が溢れてきた。

夏生は口を尖らせるようにし、口の両端を下げ泣き顔を見せた。

「どうしたんだよ・・逢えたじゃん・・何か悲しいの?」

瞬は夏生に、優しく問いかけた。

「ううん・・なんだか嬉しいのと・・逢えないかもしれないって・・不安だったから・・ゴメンネ・・」

夏生は少しだけ笑顔を見せた。

「逢えるじゃん。オレちゃんとホテルの名前言ったじゃん」

瞬は夏生の不安を取り除こうと、笑顔で応えた。

「うん。そーだね・・ワタシ馬鹿みたい泣いたりして」

夏生も、それに応えた。

「ナツキの泣き顔も可愛いよ。それより、どーして此処にいるの?」

瞬が質問した。

「あ?!!イケナイ、アタシみんなを待たせてるんだ」

夏生は我に返り言った。

「みんなって?誰だよ」

瞬は事の事情がつかめないでいた。

「ねっシュン君も一緒に来て!」

夏生は瞬と手を繋ぎ、引っ張るようにして歩き出した。


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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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