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遠い夏の日 第五十話

那覇市内の道路は混雑していた。

国道332号線、331号線と繋ぎ、明治橋を渡り、旭橋の交差点で右折した。

旭町の交差点を左折し、沖縄県警本部、沖縄県庁の前を通り、にぎやかな通りに出た。

「爺ちゃん。ちょっと寄っていい?」

リュウドが老人に質問した。

「お?寄っていくかな少し」

黄色と赤のロゴ文字、それは紛れも無く普段見慣れているマクドナルドだった。

「さ?さ。おりなさいな。お腹が空いてる人は何か買ってくださいよ」

老婆が言った。

マクドナルドの扉を開け皆で店内に入ると、異様な雰囲気に包まれていた。

外国人の溜まり場、そう、そこは外国映画でも観ているような光景だったからだ。

客は白人、黒人、ハーフ、ミックス、そして日本人。

二人は目を丸く見開いた。

「うわ?アメリカみたいじゃん」

知美が感嘆の声をあげた。

カウンターに皆で並び、それぞれが自分の物を買い込み、再び車に乗り込んだ。

「さて、食べながらドライブといきますかな」

老人がニンマリとした顔で言った。

夏生は大好きなベーコンレタスバーガーとアイスティーを、知美はチーズバーガーにアイスコーヒーを食べ始めた。

「ここら辺はね。国際通りと言って戦争の後に一番先に栄えたとこなんですよ」

老婆のガイドを聞きながら、車はユックリと通りを進んだ。

観光客や地元人、米軍関係のアメリカ人などが入り乱れて混雑している。

三越の前を通り過ぎようとした瞬間だった。

「とめてください!」

夏生は突然、声をあげた。

「な!なんだよイキナリ・・」

リュウドは驚いて車を停止した。

夏生は車から降り、通りを小走りに歩いた。

「なんじゃろな?」

老人がさっぱり何が起こったのかとキョトンとしていた。

「何か土産物でも見つけたんじゃないですかね」

老婆がニコニコと笑顔で応えた。

夏生は歩いている後姿の青年に声をかけた。

「シュン君・・シュン君!」

青年はビクっとし、立ち止まり、ユックリと振り返った。

「あっ・・ナツキ・・ナツキじゃん」

瞬は微笑みながら、優しい顔を夏生に向けた。

「うん・・きちゃった・・」

夏生の瞳は、少しだけ潤んでいるように見えた。

瞬は思わず夏生を優しく抱き寄せた。

夏生は力を抜き、身体をまかせ目をつぶった。


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テーマ : 自作連載小説
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