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遠い夏の日 第三十一話

「腹へらない?何か食べに行かない?」

古臭い店内の雰囲気に飽きたのか、瞬は注文したアイスコーヒーも飲みかけで夏生に店を変えないかと提案した。

「うん。そうだね。シュン君は何を食べたいの?」

「オレか・・オレさ、ジャンクフードが好きなんだよね」

「マックとかモスとか?」

「ま?そのへんだよ。なんでもいいんだけどね腹さえ一杯になりゃ」

「そぅだけど・・でも、行くよ学校帰りとか・・」

「あーホント・・じゃそれでいいじゃん」

二人は会計を済ませ、アスファルトの熱りが冷めない雑踏へ再び歩き出した。

炎天下の混んでる中を急いで歩くと汗が吹き出てしまうくらいだ。

夏生は元々ユックリしてるので、瞬より少し遅れて歩調を合わす感じになる。

突然瞬は立ち止まり夏生に振り向いた。

「あのさ・・歩くの遅いね。暑いから?」

「え?っていうか・・歩くの遅いんだよもともと」

「そっか・・じゃオレ合わせるよ」

瞬はそう言うと夏生と手を繋いだ。

[え?ナニナニ!?そんなの予定にないよ?!]

夏生は瞬の突然の大胆な行動に、真夏の暑さが更にヒートアップしオーバーヒートしそうだった。

クラっするような目眩のような・・フワフワ感覚を夏生は体験した。

ユックリした足取りで二人はファーストフードを目指し歩いているが、どこも混んでいて決めかねている。

夏生は下を見て俯いてばかりで集中できない。

早く何処かの店に決めて席に座り事の状況を自分に納得させたい気持ちだった。

「ここでいいよな。ここ入るわ」

「・・・・・・」

「聞いてる?」

「な、なんでもいい」

夏生はうわずったような、か細い声で応えた。

二人とも夏の暑さなのか緊張なのか、繋いだ掌が汗ばんでいるのを感じていた。

[なんだか・・この子・・緊張してるのかな・・それとも具合が悪いのかな・・?]

瞬は夏生を心配していた。

「調子悪いの?それともオレと手を繋いだのが嫌なの?」

「いや・・じゃ・・ないけど・・緊張するっていうか・・慣れないから・・」

「じゃーオレといつも手を繋げば慣れるじゃん」

「え?いつも!?」

「そうだよ。いつもだよ」

「そんな・・」

「なんだよ・・・嫌なのかよ」

「だから・・嫌じゃないけど・・緊張するの・・」

[なんだか・・可愛いヤツ・・おもしろい子だな]

瞬は夏生に対して少しずつ気持ちが動いていた。



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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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