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遠い夏の日 第四話

PM5:02

六月二十日の夏至から数えて、ちょうど一ヶ月が過ぎた頃になるが、これから本格的な夏へと向かっているのだと実感させるような太陽ギラツキだ。

瞬は海岸へ流れ着いた流木を横目にバイクへ歩いている。

頭から流れてくる滴は汗なのか海水なのかわからないくらいだ。

再び彼は素っ裸になり着替えを始めたとき後ろから声がした。

「♪ばばんばばんばんばん 少年ケーン!」

「・・・・・・」

「おい少年!相変わらず裸が好きだの?」

「なんだよタキさんか。ビックリするじゃん」

タキとは、瞬より一回り年上の、友人みたいな相談相手みたいな存在だがサーフィンはやらない。

タキは都会で大手広告代理店のCMカメラマンをしていたが、今はフリーランスとして少しだけ仕事をしながら自分のテーマを撮りためていて、いずれ写真集を出版するとうそぶいている。

「オマエさっき潜ってただろ? 宝物探しでもしてたん?」

「あ いや。別になんでもないよ」

「あっそ、ならいいんだけど。で、これからバイト?それともバンド?」

「今日はなんもないす。 暇なんですか? おごってくださいよコーヒーぐらい」

「仕方ねーな、じゃACTで待ってるよ 適当な時間で待ち合わせな」

タキはそう言い残すと、坂の下に停めている、真紅のランチャデルタへ歩いていってしまった。

ランチャデルタHFインテグラーレ4気筒 DOHC 2.0LターボエンジンFRPボディーから流れでる、急気温が不釣合いな演出としてその場に残った。

瞬も着替えを済ませ、セルスイッチをオンにし、非力な50CCスクーターと共に家路へ急いだ。

来た道とは逆にバイパスを使い、フルスロットルべた踏み状態で走った。

家に着き、急いでシャワーを浴び、石鹸で念入りに潮くさい海水を洗い流した。

最後に冷水で身体がキンキンに冷えるまで冷水を浴びた。

バスルームを出ると、厚手のタオルで身体の水分をふき取り、頭もただ水分を吸わせるだけだった。

キッチンルームへ向かうと、スリードアの冷蔵庫の扉を開け、扉内側のポケットから{シーブリーズ社 アンティセプティック薬用ローション}を手に取ると、頭から振りかけ、顔、肩、胸、腹、脚、最後に自分では見えない背中にかけた。

スーっとした爽快感と、ミント、ハッカの香りが部屋中へひろがった。

二階へ上がり、再び{Sympathy For The Devil }に針を落とした。

彼は部屋に無造作に転がっているLevi Strauss社517ブーツカットに脚を通した。

そしてチェストの引き出しを開け、300枚はあるのかと思われる沢山Tシャツから、昨春、記念すべき初来日を果たした、ローリングストーズ『スティール・ホイールズ』ツアーTシャツを着、花柄のウェスタンシャツをボタンをはめずに羽織った。

机から数枚の札紙幣と小銭をポケットにしまい、階下へ降り再びスクーターで街まで向かった。


大きい交差点手前の前にさしかかり、ファーストフードMから出てくる制服の女の子二人が見えた。

「あっ、サーファーだ」

「よくわかるわね夏生」

「だってサーフボード積んでるじゃん」

彼女たちから{スローダウンともアップとも}サインボードは無く、瞬は交差点の130Rへと突っ込みファストアウトしていった。

「じゃあ、また明日ね。バイビー」

夏生と知美は、それぞれ自宅へと向かった。

太陽は傾きかけているが、街全体が蒸し暑い湿度で覆われている。

夏生は途中、書店へ寄った。

店内は埃っぽい匂いなのか、インクの匂いなのかハッキリしないが、クーラーの効いてないむせ返す匂いに嫌悪感を感じた。

旅行コーナーでガイドブック数冊に目を通すと1冊だけ購入した。

家に向かう経路で{開かずの踏み切り}で、立ち止まった。

運悪く遮断機が下りている。

何故、開かずかというと、この街は新幹線や特急路線ではないが、通勤快速が走っているため時間帯によっては、両方向から絶え間なく行き来し開かずになってしまうのだ。

彼女はカバンからガイドブックを取り出しグラビアを眺めた。

電車がの通り過ぎる轟音と、遮断機のカンカンと鳴る音がこだましている。

そろそろかな。と、思っても遮断機の赤い→が点灯している。

十分近く待たされ、やっとの事で最後の電車が行き過ぎた。

踏み切りの向こう側で、派手なシャツを着た、グンヘルメットのスクーターが停まっていた。

遮断機が上がりスクーターが近づき夏生の前で停車した。

夏生はビックリして立ち構えた。

「なに?!」

スクーターは微動だにせずヘルメットのシールド越しに自分を見ている。

「あ!」

夏生は見覚えのある目だとわかったが、ドキドキして心臓の音が鳴っていた。

ほんのわずかな時間、三十秒だっただろうか。

スクーターは後続車のクラクションに耐えられず行ってしまった。

♪{RUSH RUSH}

You're the whisper of a Summer breeze
You're the kiss that puts my Soul at ease
What I'm saying is I'm In to you
Here's my story and the Story goes
You give love, you get love
And more than Heaven knows
You're gonna see
I'm gonna run, I'm gonna try
I'm gonna take this love Right to ya
All my heart, all the joy
Oh baby, baby please

Rush, rush
Hurry, hurry lover Come to me
Rush, rush
I wanna see, I wanna see ya Get free with me
Rush, rush
I can feel it, I can feel you All through me
Rush, rush
Ooh what you do to me


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