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遠い夏の日 第二十六話

学生時代から現場職で苦労し叩き上げられ社員に上がり、デスクを与えられ自分でコンサート関係の企画書を書き、アーティストのスケジュールを確認しアプローチする。

ちょうどアーティストの新譜などが発売されているとタイムリーに「○○ツアー」と題して宣伝文句が告知ポスターに書かれるが、有名どこメジャーアーティストの場合はオオバコ{大きいコンサートホール}が使われるので、小ホールライブハウスなどに組み込まれることはまずない。

しかしロックなどのアンダーグラウンドの世界では、ライブハウスでプロモーションが行われる場合もあるので互いにチャンスなのだ。

発売されるCDの即売会及び記念Tシャツやノベルティーグッズなどアーティストの宣伝の為にコンサートライブがあり、CD販売売り上げはアーティストや所属事務所に吸い上げられる。

有名どこになると呼ぶだけでも大金がかかるので、カンムリ{冠スポンサー}から広告宣伝費をもらい[○○プレゼンツ、○○ツアー]と企画されるが、嫌うアーティストも中にはいる。

いずれにせよロックなどのアンダーグラウンドの世界は、[オーディエンス【audience】観客] とアーティストがより近くなる機会なのかもしれない。

「シュン、どーだった?」

ワッカが瞬に質問した。

「あ、オッケーす」

「そっか、良かったな..なワケないだろオマエどーすんのよ穴埋め?」

「はー・・」

「はー・・じゃねーよオマエの代わりは誰がやるのよ? オマエにシキリのシキリやらせて臨時バイトの管理と教育やらせようと考ええてたのによ?」

「スンマセン・・」

瞬は自分が学生ながらシキリのシキリをやらせてもらう事で、将来の音楽業界への道が少しだけ開けてきたと思っていた。

しかし進路についてはまだ未定であり、サーフィンにも夢中だし沢山の選択肢が自分にはあるのだと決め付けられても困るのだ。

「じゃオレ帰りますわ。いろいろスンマセン土産買ってきますから」

「はいよ。じゃーな」

ワッカはふてぶてしく、読んでいたROCKIN'ON JAPANをテーブルにドサっと置いた。

瞬は一目散にビルから出て深呼吸した。

「ふぁ?・・あ?マジやばかったぜ。うっせー野郎だぜったくよ」

瞬はせっかく街まで来たのだから自分の住む街には存在しないデパートテナントビルでも覗き、新しいトランクスでも買っていこうかと考えた。

[あーそうだ、マルイがあるじゃんか]

マルイは関東中心地から都心に展開するデパートチェーン店で、ティーンエイジャー御用達と呼ばれるマルイは高校生の溜まり場でもあった。

ちょうどこの時期は特設会場が設置され、水着コーナーもあり好都合なのだ。

マルイはサーフウェアにも力を入れていて外国大手ウェットスーツメーカーとのタイアップにより、サーフィン国際大会ASP[Association of Surfing Professionals]のカンムリスポンサーでもあり、なんとなく瞬にはサーフィンと絡めた親近感があった。

マルイに向かい迷わずエレベーターで最上階に向かおうとしたが、なかなかエレベーターは降りてこない。

やっと降りてきてドアが開いたとたんにギャル系の女子高生が雪崩れのように吐き出された。

[うわっ・・まじかよ・・]

瞬は場違いな感じがした。

こんなにギャル系の女子高生の溜まり場に自分が向かうなど、貧血を起こして倒れてしまうのじゃないかと心配した。

エレベーターにギュウギュウ詰めにされ周りは女子高生だらけ、ましてや向かう場所もたぶん女子高生だらけ、もしかしたら女子大生なんかも含まれていて、オンナオンナオンナ。

瞬の女嫌いな性格というか面倒くさい女関係は今に始まったことではなかった。

よく自分がライブなどで女性オーディエンスの前で唄ってるんだろうと疑問に思うことさせあった。

[ヤバイヤバイ・・精神統一せねば・・]

瞬の頭に描く精神統一とは、自分がその場にいても周りは全くの別物で風景の一部なのだ。

感情も体温も無く、声も聞こえてこないように集中するのだ。

そうすることで心が落ち着いてきて平静を装える。

まー良く言えばの話であって悪く言えば授業中に平然と居眠りしてしまい、反省などしないような生徒を作り上げてしまう精神統一なのだから問題なのかもしれない。


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テーマ : 自作連載小説
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