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遠い夏の日 第九十五話

憔悴しきった夏生を何とかしなくてはイケナイとマヒルは一計を案じた。

酒を浴びて暴れてる輩達の店に入るわけにもいかない。

マヒルはカフェらしき店はないかと、通りに出て周囲を見渡す。

米軍アーミーを含め多種多様な人種が、通りを闊歩しながら騒いでいる。

通りの一角にグリーンを調の[BANZAI CAFE]と書いてあるネオン看板を見つけた。

マヒルは夏生に歩み寄り、しゃがみこんでる夏生をユックリ立たせるように介助しながら言った。

「そこのカフェで少しだけ休みましょう」

夏生は返事をしなかった。

三人は木造のドアを開け、BANZAI CAFEの店内に入った。

程よく明るい店内だが誰も客はいなく、三線のメロディーが静かに流れていた。

大きいソファーが何台か配置され安っぽいスチール製のテーブルが並べられていた。

壁には70年代と思われる沖縄のモノクロ写真が飾られている。

マヒルは外の景色が見えない簡素な造りなので胸を撫で下ろした。

窓から騒がしい景色や雑音など入れば、夏生の具合が悪化すると思ったからだ。

三人は適当に席に着きメニューを覘いた。

ごーやー茶、うっちん茶、グァバ茶、ハイビスカスティー、くみすくちん茶、ぶくぶく茶、キダチアロエ茶、ヨモギ茶、ハママーチ茶、ハブ茶と、書いてあり、紅茶、コーヒー、一般のジュース類やコーラの文字は書いてない。

「マヒルさん。これなんですか?」

知美が質問した。

「沖縄のお茶よ。珍しいものばかりでしょ」

「はい。それにしても聞いたことがない名前ばかり・・・」

小太りで色黒の店主が奥から出てきた。

「いらっしゃい。決まったら声をかけてください」

「あの・・・この子に、まず水をください」

マヒルは夏生用に水を先に注文した。

「はい。水は無料ですから、いくらでもどうぞ召し上がってください」

店主はニコニコしながら快く注文を受けた。

夏生はテーブルに突っ伏して顔を横に向け虫の吐息だった。

「ナツキちゃん・・・今、水がくるからね・・・」

夏生から、返事は無かった。

知美はハイビスカスティー、マヒルはハブ茶を注文し、夏生は頼まなかった。

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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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