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遠い夏の日 第六十九話

[それにしても・・・キッチリと分けて髪を固めてるな・・]

瞬はどうも、フロントマンの印象が強いらしい。

車に戻り、水野の車に板を積んで出発した。

「水野さん。あの上司の人・・」

と、瞬は言いかけて・・・

「あ?ポマードスタイルの人でしょ?」

「はい。」

「あの人ね。あ?見えてけっこう昔は、ヤンチャだったってはなしだよ。なんでポマードスタイルだと思う?」

水野はニヤニヤしながら瞬に質問した。

「さ?わかりません・・」

「エーちゃんだよ・・エーちゃん」

「えっ?!」

瞬はエーちゃんと言われ、何がなんだかわからなかった。

「矢沢永吉さ・・なんだかさ?同じ世代らしいよ彼はつまりさ・・昔はリーゼントスタイルだったってことなんだよ」

水野は上司の青春時代を、面白おかしく話した。

「柳谷ポマードなんだってさ。こだわってるみたいだよ、エーちゃんみたいに。でもさ?アレ臭いんだわ・・アハハ」

まさかロッカースタイル矢沢永吉の話題になるなんて瞬は思わなかった。

「昔ってさ、リーゼントが不良のステイタシーみたいだったんだよ。だから、それが忘れられなくてホテル業界に入って、叩き上げであそこまで上がってきたんだって。つまり筋金入りの成り上がり世代ってことなんじゃない」

瞬は矢沢永吉のインタビュー本[成り上がり]を思い出した。

一度だけ読んだ記憶があるが、親も居ない貧乏から這い上がり、スターになった成功者という記憶はあった。

「俺たちサーファーにはポマードも成り上がりも無縁だけどね・・」

水野はサーファースタイルにキッチリした人生なんかないのだと言っているようだった。

「水野さんは沖縄出身なんですか?」

「いや、違う。俺は愛知の豊橋出身だよ。伊良湖とか静岡の浜松周辺で波乗りしてたんだよね元々は」

「へ?そうなんですか。それでオキナワに移住したとか?」

「そうだね・・最初は高校出て地元周辺に居たけど、名古屋に出てから海が遠のいてね・。それにサラリーマンしてて雁字搦めで疲れちゃってさ。貯金使って此処まで流れてきたんだよ」

「そうなんすか。そりゃ思い切ったことをしましたね」

「いや?まだ若いし、いくらでもやり直しが出来るじゃない? だから自由にやってみようって」

水野の沖縄移住の話は続いた。

「最初はさ?何処へ行こうから始まったよ。何処で暮らして、サーフィンしていくかって、疑問ばかりだったからね」

瞬は沖縄で、水野が順風満帆に見えたが、彼なりの苦労があるのだと思った。

自分もいずれは、親から離れて生活しなくてはならないし、水野の話はサーフィンの先輩だと思い聞いていた。


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