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遠い夏の日 第六十八話

瞬は玉陵付近までの道のりを歩き、首里高校あたりで時間を潰し水野を待っていた。

「スイマセーン」

赤いトヨタハイラックスサーフの運転席から手を振る水野がやってきた。

時間はまだ4時を過ぎたばかりだった。

ハイラックスサーフはユックリと瞬に近づき停車した。

運転席のドアからビーチサンダルを履き、白いサーフTシャツ、色の抜けかかったジーンズ姿の水野が降りてきた。

「お待たせしてスイマセン」

水野は挨拶した。

「あ・・いや、こちらこそスイマセン。無理に頼んでしまって。それより夕方まで早くないですか?」

瞬は水野に質問した。

「ホテルってサービス業なんで、ネクタイしめたサラリーマンスタイルじゃないし、早番遅番があるんですよ。今日、僕は早番なんで、朝の5時からホテルに入ってます」

水野は瞬に、自分の仕事について軽く説明した。

「そうなんですか。大変ですね」

瞬は軽く受け答えした。

「立ち話してる場合でもないし、まずは車に乗ってショップにでも行きますか?」

水野は瞬に、約束通り店を紹介すると提案した。

「はい。え?と・・・水野さんは今日は海に入らないんですか?」

瞬は水野に、今日はサーフィンしないのかと質問をした。

「え?と・・お客様の名前は・・・」

水野は瞬のことをお客様と気を使いながら名前を聞いた。

「ハイ。波間っていいます。波間瞬です。それから・・仕事じゃないプライベートで接してるんだし、お客と従業員の関係は止めましょうよ。水野さんは僕より年上なんだし、先輩なんだから僕に敬語ではチョット・・・」

瞬はこれからのことを考え、社交辞令的な気を使う付き合いは、無しにしようと提案した。

「そうですね。いや、そうだね」

水野は、笑顔で応えた。

「それより、波間君は板を持ってきてるの?」

「あります。部屋にあります。取りに行こうかな」

「ちょっと待って」

部屋に板を取りに行くと瞬は言ったが、水野は待ってくれと応えた。

「あのね、今が4時でしょ。沖縄ってさ?リーフがほとんどなんだよ。だから潮の下げこみは駄目で、満潮付近の何時間くらいしか出来ないんだよ」

「は?・・そうなんですか・・僕の住んでる所は潮回りも重要ですけど・・・リーフ・・岩ってなんかあるんですか?」

瞬は質問した。

「説明はとりあえず行く途中でするから板を取りにいこうよ。せっかく沖縄まで来てもらったんだし。まだ海にも行ってないんでしょ?」

「はい。まだ・・」

水野の車でホテルの付近まで行き、水野はホテルの駐車場には停めないで路上駐車しながら待機することにした。

「待ってるから。中まで入ると会社の人がウルサイからここで待つよ」

瞬は受付で部屋の鍵を受け取り、部屋まで急いで戻った。

デイパックにサーフトランクス、着替え、バスタオルを詰めハードケースの板を持ちロビーまで降りた。

「お客様、お出掛けですか?」

水野の上司と思われる髪の量が多い従業員に話しかけられた。

「はい。ちょっと」


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